Behind the build — Day 016

つくり方の全容

day16 は、高円寺の小さな美容室「hair room sowa(架空)」。店主がひとりで立つ、席ひとつのお店です。お客さんが知りたいのは「今日、行けるかな。空いてるかな」の一点。でも美容室の空きは、やりたいことで変わります。カットだけなら 1時間、カラーも足すと 2時間半。だからやりたいメニューを選ぶと、その所要時間ぶんまるごと空いている日時が出るようにしました。そして空き状況の元になっているのは、店主が普段使っている Google カレンダーそのもの。予約が入ればサイトの空きが減る。しかもお客さんの名前はサイトには出ません。予約システムも、専用アプリも、作っていません。完成したサイトと、その仕組みを順番に。

hair room sowa のファーストビュー。黒髪ボブの横顔とテラコッタ色の服の写真の上に、iOS風のすりガラスのカードが浮かび『THURSDAY 7.2』の日付と『本日、カットなら◯時〜 空いてます』の一行が出ている
サイトのファーストビュー。すりガラスのカードに「本日、カットなら◯時〜 空いてます」

01

やりたいことに、チェック。
空いてる日が、変わる。

メニューのチェックリスト。カット 60分 ¥5,500、カラー 90分 ¥8,250、パーマ、トリートメント、ヘッドスパ、前髪カットが並び、下に『あわせて 約60分』と合計時間が出ている
やりたいメニューにチェック。所要時間が合算される

美容室の「空いてるか」は、他の店と少し違います。やりたいことで、必要な時間が変わる。カットだけなら 1時間、そこにカラーを足せば 2時間半。だから「◯時から空いてます」だけでは足りません。カットなら入れる日でも、カラーまでやるとまるごとの空きが足りずに入れない、ということが起きる。そこで、メニューをチェックするとその合計時間ぶん、続けて空いている日時だけを出すようにしました。選んだ内容で、行ける日が変わります。

出した指示やりたいメニューをチェックで選べるようにして、その所要時間の合計を計算する。その時間ぶんまるごと空いている日時だけを一覧に出す。カットだけなら入れる日でも、カラーを足すと入れない、というのが分かるように。

02

空き状況の元は、
店主のGoogleカレンダー。

スマホの Google カレンダーで新規予定を作る画面。開始 2026/07/05 10:00、終了 11:00、カレンダーは『sowa 予約』が選ばれている。タイトルは『カット 田中さん』
店主はいつものカレンダーに予約を書くだけ。開始と終了、それに名前

空き状況を別のシステムで管理してもらうと、店主は道具をもう一つ覚えることになります。それは続きません。だから元にしたのは、店主がもう毎日使っている Google カレンダー。「10:00 カット 田中さん」と、いつもの予約表に書く。それだけで、サイトのその時間の空きが消えます。臨時休業も同じで、その日に「休み」という終日の予定を入れれば、サイトはその日を休みとして扱う。新しく覚えることは、ありません。

出した指示店主が普段使っている Google カレンダーに予約を書くと、その時間がサイトの空きから消えるようにしたい。専用の予約管理画面は作らない。カレンダーに終日の「休み」を入れたら、その日は臨時休業としてサイトに反映されるように。

03

お客さんの名前は、
サイトに出さない。

Google カレンダーでカレンダーの種類を選ぶドロップダウン。会社業務・プライベート・毎月の予定・sowa 予約 の中から『sowa 予約』を選ぶ。予約は『カット 田中さん』
カレンダーには名前が入る(カット 田中さん)
サイトの『空いてる日』一覧。7/3(金) 12:00〜 16:00〜、7/4(土) 11:00〜 15:00〜、7/5(日) 満席、のように日付と時刻だけが並び、予約者の名前はどこにも出ていない
サイトに出るのは日付と時刻だけ。名前はどこにもない

ここが一番大事なところです。カレンダーには「カット 田中さん」と、お客さんの名前が入っています。これがそのままサイトに出てしまっては、お店として困ります。そこでサイトが受け取るのは「その時間が空いているかどうか」だけにしました。名前や内容は途中で捨てられて、サイトには一切届きません。店主は名前つきで普段どおり書けて、でもサイトに出るのは日付と時刻だけ。両立させることが、この仕組みの肝です。

出した指示カレンダーにはお客さんの名前を書くけれど、それは絶対にサイトに出さないでほしい。サイトに渡すのは「何時から何時が埋まっている」という時間の情報だけにして、予約の名前や内容は届かないようにする。

04

予約は、LINEか電話で
ひとこと。

サイトの予約カード。選んだ枠『7/3(金) 12:00〜 / カット(約60分)』がまとまり、『LINEでひとこと送る』の黒いボタンと『電話する 03-0000-0000』が並ぶ。下に『ネット予約システムはありません。この日この時間、空いてますか、だけで大丈夫です』
空いてる枠を選ぶと日時がまとまる。あとは LINE か電話でひとこと

空いてる日時を見つけたら、その枠をタップします。すると「7/3(金) 12:00〜 / カット」と日時とメニューがまとまって、LINE のメッセージに最初から入った状態になる。あとは送るだけ。予約フォームも、会員登録も、ありません。ひとりで店に立つ人にとって、ネット予約システムは維持のほうが負担になりがちです。だから「この日この時間、空いてますか」だけで済むところまで削りました。決めるのは人と人で、いい。

出した指示予約システムは作らない。空いてる枠を選んだら、その日時とメニューが LINE のメッセージに入った状態にして、送るだけで伝わるように。電話でもいい。「空いてますか」の一言で予約できる、それ以上は作らない。

05

そして、完成形。

完成形 PC。髪の写真とすりガラスカードのファーストビュー、リード文、メニューのチェックリスト、空いてる日の一覧、予約カード、料金表、サロン紹介、アクセスの順に並ぶ。墨色とオリーブ、明朝体の上品なトーン
完成 — hair room sowa(PC)
完成形 SP。縦長画面に、髪の写真とすりガラスカードのファーストビュー、リード、チェックリスト、空いてる日、予約カード、料金、紹介、アクセスが積み上がる
完成 — hair room sowa(SP)

お客さんは、やりたいことを選ぶだけで行ける日が分かる。店主は、いつものカレンダーに予約を書くだけ。あいだをつなぐ仕組みが、名前を伏せて時間だけを運ぶ。デザインは、高円寺の古着屋と喫茶店の路地に馴染むよう、墨色とオリーブに明朝体、iOS風のすりガラスで静かにまとめました。サーバーも予約システムも要らず、Google カレンダー 1つで、席ひとつの美容室が「空いてる?」の問いに答えてくれる。これが day16 の答えです。

「予約管理は、
Googleカレンダーで」。

美容室だけでなく、ネイルサロン・整体・エステ・写真スタジオ・レンタルスペースなど、1対1で時間を予約する小さなお店なら、同じ仕組みで応用できます。予約は、いつもの Google カレンダーに書くだけ。お客さんの名前は、サイトに出ません。100連発の中で、もう少し追いかけてみます。

サイトを見る →